2006年 11月号

自宅、南薩摩、京都

久し振りに自宅でのんびりとした。
いつもと変わらない朝の空気。
目が覚めると真っ先に玄関の扉を開ける。

玄関先の大谷石の飛石をひとつづつ進むと
りんどうの花が2つ寄り添っていた。
少しずつ落ち始めたナラやクヌギの葉っぱの海の中で
夫婦のように仲良くそこにいた。

ちょうど良いタイミングで朝陽が射し込んできて
くれたので、久し振りにデッキでゆったりと
朝食をした。ラディッシュもトマトも地元の野菜。
キャベツももちろん甘〜い。パンは事務所のそばの
ペリカンのミニロール。

 
二度目の南薩摩取材。坊津・泊浜の夕焼けは美しい。
この浜辺で古い陶器の破片を捜し歩いた。
南薩摩といって連想するのは、焼酎ばかりでなく、
海の遥か向こうにそびえ立つ開聞岳である。
山麓に菜の花が広がる雄大な景色を一度、生で
見たいと思っていた。
坊津から枕崎市内へ戻る時に、耳取峠から
美しい姿が眺められる。懐かしい友人に会った様な気分である。
11月26、27日の美濃加茂市、飯田市のクラシカルバージョンが
終わった翌28日。東京には戻らずに京都へ入る。
『世界遺産音楽祭2006京都』の収録のためだった。
12組のアーチストが選ばれ、京都の神社やお寺で
演奏を奉納するということである。

28日は午前中に京都に入った。少し時間が取れた
ので、南禅寺まで足を運んでみた。
南禅寺はこの時期は毎年の様に訪ねる所だ。
ゆったりとした敷地と大きな山門を見ると、
心が鎮まってくる。紅葉も見事なので、たくさんの
観光客たちが集まってくる。人がいても、うんざりはしない。
ここの風景は人々を和ませてくれるものがある。
29日の朝、根本中堂で演奏させて頂いた。
約20年振りの根本中堂。空気は昔と全く
変わっていない様な気がした。20年前のコンサートの時にも
お世話頂いた方々にも、お会い出来て感慨深いものがあった。

この時期の朝の七時半から演奏というのは厳しい条件
である。それでも携帯用カイロで準備万端に温めて
おいてあげられたので良い響きだったと思う。
周囲の木々とも呼応するような音色が、不思議な
空間を作っていたと思っている。